遠隔臨場で必要になる機器
遠隔臨場を解説
遠隔臨場を始めるためには何を揃えればよいか教えてくれるか?
かしこまりました。国土交通省の要領を参考に遠隔臨場に必要な機器について解説しましょう。
無駄なことはしたくないのでよろしく頼むぞ。
遠隔臨場で必要となる機器とは?
国土交通省の遠隔臨場に関する実施要領には使用する機器と仕様について記載されています。準備する機器として動画撮影用のカメラ(ウェアラブルカメラ等)とWeb会議システム等を挙げています。仕様などの参考値も示していますが、適用を拘束するものではなく状況に合わせ受発注者間で協議の上、決めることとしています。
遠隔臨場のカメラ
国土交通省の実施要領には使用する機器として動画撮影用のカメラ(ウェアラブルカメラ等)とあります。ウェアラブルカメラは必須とまではいきませんが遠隔臨場の安全性の確保や歩行しながら使えるなどハンズフリーならではの有用性はあります。通信が途切れたり画質に課題がありますが、それを解消できる製品も出ています。
※国土交通省「動画撮影用のカメラに関する参考数値」
| 項目 | 仕様 | 備考 |
|---|---|---|
| 映像 | 画素数:640×480 以上 | カラー |
| フレームレート:15fps 以上 | ||
| 音声 | マイク:モノラル(1 チャンネル)以上 | |
| スピーカ:モノラル(1 チャンネル)以上 |
遠隔臨場のスマホ
ビデオ通話など映像伝送が可能なアプリをインストールすればスマホでも遠隔臨場は可能です。特別な機材は不要で低コストで開始できるのがメリットですが、アプリによって画質の差がある、画面が小さいため確認が難しいケースがある、手が塞がってしまい、工事によっては効率が下がるといった注意しておきたい点もあります。
※国土交通省「画質・画素数と最低限必要な通信速度」
| 画質 | 画素数 | 最低限必要な通信速度 |
|---|---|---|
| 360p | 640×480 | 530kbps |
| 480p | 720×480 | 800kbps |
| 720p | 1280×720 | 1.8Mbps |
| 1080p | 1920×1080 | 3.0Mbps |
| 2160p | 4096×2160 | 20.0Mbps |
遠隔臨場のweb会議システム
ZOOMやTeamsといった汎用のWeb会議システムも国土交通省が求める仕様はクリアします。ただし使用している現場では通信不良や音声が聞きとれないといった課題も発生しており遠隔臨場システムとしてまだ検討の余地があります。他に遠隔臨場に対応する高品質の映像配信製品もあり安定した通信や画質を実現しています。
※国土交通省「Web 会議システムに関する参考数値 」
| 項目 | 仕様 | 備考 |
|---|---|---|
| 通信回線速度 | 下り最大 50Mbps、上り最大 5Mbps 以上 | |
| 映像・音声 | 転送レート(VBR):平均 1 Mbps 以上 |
遠隔臨場で活用できる
web会議システム(ZOOMなど)を詳しく見る
遠隔臨場のドローン
遠隔臨場に必要なものは、動画撮影用のカメラと通信機器です。動画撮影はドローンを活用して行うこともできます。ドローン搭載のカメラで撮影すれば、人が現場に行くことなく、遠隔で現場の確認が可能です。ドローンで撮影する際は、搭載するカメラは360°撮影できるものがいいでしょう。また、リアルタイムで映像をチェックするために、安定した通信も大切です。途切れにくいシステムを選ぶと、効率よく遠隔臨場できます。ドローンを飛ばす場合は、飛行区域などによって事前の許可・承認が必要な場合があります。ドローンのルールを守って実施してください。
遠隔臨場の360度カメラ
遠隔臨場に360度カメラを活用すると、さまざまな面でメリットがあります。1回の撮影で360度撮影が可能となるため撮影漏れを防ぐことが可能になり、再撮影などにより時間を取られてしまうリスクを低減できるなどのメリットがあります。
ただし、360度カメラを使用する際には周囲へのプライバシーの配慮を怠らないという点、またカメラの解像度について確認しておくといった注意点があります。メリットや注意点を把握した上で遠隔臨場に360度カメラを活用していきましょう。
