遠隔臨場の手順を解説
遠隔臨場を解説
実際に遠隔臨場を行う場合には、どのような流れになるのだろうか?
遠隔臨場は、しっかりと段階を踏んで進めていくことになります。大まかな流れについてご説明します。
STEP1:施工計画書の作成
はじめに施工計画書の作成を行いますが、その際には遠隔臨場の適用範囲について受発注者間での協議が行われます。場合によっては現場での立ち会いを求められるケースもあるため、この段階で詳細を確認しておくことが大切です。
協議を行った結果、遠隔臨場が適用できるとなった場合には施工計画書を作成します。この計画書には、下記の項目について記載します。
- 適用の種別:段階確認・材料確認・立ち会いのうち適用する項目
- 使用機器・仕様:記録や配信に用いるWebカメラなどの機器とその仕様
- 段階確認などの実施:段階確認・材料確認・立ち会いの実施方法
以上の内容を記載した施工計画書と添付書類の作成を行いますが、施工計画書には基本的に「いつどのように遠隔臨場を行うのか」という内容を記載します。作成した書類は監督職員等の確認を受けます。
STEP2:機器の準備
施工計画書の作成後は、遠隔臨場に必要な機器の準備を行います。国土交通省により令和4年に発表された「建設現場における遠隔臨場に関する実施要領(案)」では、遠隔臨場に必要な機器は受注者にて手配・設置することとされていますので、受注者側が機器の用意を行います(ただし発注者が用意している場合を除く。監督職員等との協議により決定)。
この段階では、現場で「撮影」「記録」「配信」に使用する機器の準備が必要となります。具体的な機器としては、映像の撮影と記録が可能なウェアラブルカメラや、撮影した映像を配信するWeb会議システムなどが挙げられます。 これらの機器は、現場で確認行為が行えるものを選定する必要があるため、監督職員等と協議しながら選定していくことになります。
STEP3:遠隔臨場の実施
遠隔臨場の実施においては「事前準備」と「実施及び記録と保存」の2つの段階に分けられます。
まず、「事前準備」では、受注者が監督職員等に対し実施時間や実施場所などの項目について確認を行います。また、監督職員等の立ち会いが必要となるケースにおいては、立ち会い依頼書の提出を行います(所定の様式を使用)。 「実施及び記録と保存」では、受注者によって使用機器やシステムの確認を行い、さらに監督職員等に対してあらかじめ現場周辺の状況を報告します。監督職員等は周辺状況を把握した旨を受注者に伝えます。
その後、工事名や工種、確認内容などについて黒板などを使用して表示し、必要情報を冒頭で読み上げることにより監督職員等から実施項目に関する確認を得ます(終了時にも実施結果の確認を得る)。その後、遠隔臨場の映像と音声の配信、さらに記録や保存を行います。
