遠隔臨場が原則適用となるのはどのような工事?
遠隔臨場を解説
遠隔臨場はすべての工事でやらなければいけないのか?
2022年4月以降、原則としてすべての工事で遠隔臨場することになりました。
遠隔臨場の適用対象とは
2022年4月1日以降に発注された工事、および2022年4月1日時点で遠隔臨場の対象工種がある工事については、原則としてすべての工事に遠隔臨場が適用となっています。
以下、新規発注工事と既契約工事における具体的な適用対象を確認しておきましょう。
新規発注工事の場合
発注時、遠隔臨場の実施を特記仕様書に記載します。ただし通信環境が整わない現場、工種によって不十分・非効率になる現場については、この限りではありません。
既契約(特に記載がない場合)工事の場合
既契約の中で発注者が対象工事に合致すると判断した工事
受注者に要請し、遠隔臨場の実施が可能との回答が得られた場合には、設計変更により発注者指定型として実施します。
既契約の中で発注者が対象工事に合致しないと判断した工事
受注者から遠隔臨場の希望があった場合(新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策等を含む)には受注者・発注者との間で協議し、特段の事情がない限りは発注者指定型として実施します。
遠隔臨場の確認項目の適用性
遠隔臨場の確認時期と確認項目、およびその適用性(目安)は以下の通りです。適用性について、映像や音だけでは特定できない確認項目を「△」としています。
※左右にスクロールしてご覧ください
| 種別 | 確認時期 | 確認事項 | 適用性 |
|---|---|---|---|
| 指定仮設工 | 設置完了時 | 使用材料 | 〇 |
| 指定仮設工 | 設置完了時 | 高さ、深さ | 〇 |
| 指定仮設工 | 設置完了時 | 幅、長さ | 〇 |
| 掘削工 | 土(岩)質の変化した時 | 土(岩)質 | △ |
| 掘削工 | 土(岩)質の変化した時 | 変化位置 | 〇 |
| 掘削工 | 土(岩)質の変化した時 | 変化位置 | △ |
| 同度土工(路床盛土工)塗装工(下層路盤) | プルーフローリング実施時 | プルーフローリング実施状況 | △ |
発注者指定型とは
発注者が遠隔臨場を行う旨を指定して行う工事が「発注者指定型」の工事です。
発注者指定型の試行にかかる費用については、発注者側の技術管理費に積上げ計上する形となります。管理費区分としては「9:全ての間接費の対象にしない場合」で計上します。
必要な機器の手配は基本的にリースとして賃料を計上する形になりますが、やむを得ない事情で機器を購入する必要がある場合には、耐用年数に応じて減価償却処理をします。
参照元:国土交通省大臣官房技術調査課|建設現場の遠隔臨場に関する試行要領(案)(https://www.mlit.go.jp/tec/content/001397221.pdf)
受注者希望型とは
受注者が遠隔臨場を行いたいとの旨を申し出た際、受注者と発注者との双方で協議し、特段の事情がない限りは「発注者指定型」として遠隔臨場を実施します。逆に、協議による合意なくして受注者の希望のみで遠隔臨場を行う場合には、これを「受注者希望型」として行います。
受注者希望型の遠隔臨場に関する費用については、全額受注者の負担となります。
ルールにのっとった遠隔臨場の実施を
遠隔臨場の適用対象、確認項目とその適用性、発注者指定型・受注者希望型の費用について確認しました。2022年4月以降、原則としてすべての工事において遠隔臨場が適用となりました。国土交通省からの情報を確認のうえ、ルールにのっとった実施を行っていきましょう。
