遠隔臨場で行う段階確認とは?
遠隔臨場を解説
工事現場の段階確認はすべて遠隔臨場でやるべきなのか?
段階確認の確認項目は決められています。遠隔臨場でできるものは遠隔臨場でやり、遠隔臨場でできないものは現場臨場を行います。
遠隔臨場における段階確認とは
土木工事における段階確認とは、設計図書に示された施工段階において、監督員が臨場等により出来形、品質、規格、数値等を確認することを言います。
一般施工における共通的工種においては、たとえば床掘り・埋戻し工事では土質・岩質の変化時や仕上がり面の状況確認時、埋戻し前などに段階確認を行います。あるいは深礎工では、掘削・湧水状況、支持地盤の適否、鉄筋かごの配筋の適否において段階確認を行います。
ほかにも、さまざまな遠隔臨場において段階確認が行われています。
遠隔臨場の段階確認項目
遠隔臨場の段階確認には確認項目が定められています。確認項目の具体例として、滋賀県が発行している「建設現場の遠隔臨場マニュアル」から施工計画書のサンプルを引用してご紹介します。
※左右にスクロールしてご覧ください
| 工種 | 確認項目 | 確認方法 | 確認時期 (頻度) |
施行予定時期 |
|---|---|---|---|---|
| 仮設工 (指定仮設) |
仮橋設置状況 | 目視 (遠隔臨場) |
設置完了時 | 令和○年○月○日 |
| 舗装工 (下層路盤工) |
プルフローリング | 目視 (現場臨場) |
整正後 | 令和○年○月初旬 |
| 掘削工 | 土質の変化 | 目視 (現場臨場) |
随時 | 土質が変化した時 |
| 既製杭工 | 打込時 杭頭処理完了時 H鋼杭出来形 |
目視 (遠隔臨場) |
打込時杭頭処理完了時 | 令和○年○月下旬 |
| 床版工 | 鉄筋組立て完了時 鉄筋出来形 |
目視 (遠隔臨場) |
配筋完了後 | 令和○年○月 |
参照元:滋賀県|建設現場の遠隔臨場マニュアル(https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5286992.pdf)
段階確認と立会の違い
改めて、段階確認と立会の違いを明確にしておきましょう。
段階確認とは、設計図書に示された施工段階において、監督員が臨場等により出来形、品質、規格、数値等を確認することを言います。一方で立会とは、契約図書に示された項目について、監督員が臨場して内容を確認することを言います。
段階確認においては、実際に臨場して確認を行うこともありますが、機器を用いて遠隔臨場で確認を行うこともあります。一方で立会では、かならず監督員が現場に臨場して確認を行う形となります。
参照元:独立行政法人水資源機構|土木工事監督実施基準(https://www.water.go.jp/honsya/honsya/keiyaku/tutatu/pdf/t18_rename.pdf)
遠隔臨場による段階確認が急速に浸透中
遠隔臨場の段階確認について、その定義や確認項目、立会の違いなどについてご紹介しました。
2022年4月以降、原則としてすべての工事現場に遠隔臨場が適用となっています。業務効率化等に向け、現場には遠隔臨場による段階確認が急速に浸透しています。
遠隔臨場システムはどのように選ぶべき?
「立会」の場合は、監督員が必ず現場に臨場して確認しなければならないが、「段階確認」であれば遠隔臨場の方式で、合理的かつ無駄のないやり方での作業を行える訳だな。それこそ土木工事や建物建築の現場で、工期短縮といったメリットをもたらしてくれる期待が持てるな。
まさにその通りで、以前までは「段階確認」は現場に足を運ぶ必要がありましたが、遠隔臨場であればそうした手間暇を大きく軽減できるのです。ただし、遠隔でできさえすればよいという単純なことではありません。現場に足を運ぶのと同等レベルの確認ができるということが、必須条件となります。
言われてみれば確かにその通りだな。では、実際に現場に臨場するのと同じレベルで段階確認を行えるようにするには、どのような遠隔臨場システムを選べばいい?
重要なのは画質と通信性になります。現場で目視するのと同じ位の画質を実現でき、通信も安定しているシステムであれば、遠隔でも適切な判断が下せます。逆に画質が不鮮明だったり通信が不安定だったりすると、結局現場に足を運ばなければダメということになりかねません。
では、土木や建築現場の遠隔臨場に適したシステムには、どんなものがあるんだ?
色々とリサーチしてみたところ、ソリトンシステムズというところが手掛けている遠隔臨場システムが、機能的に優れているようです。
ソリトンシステムズの遠隔臨場システム
Zao-X
Zao-Xはソリトンシステムズが2022年7月にリリースした、高画質での動画送電を可能としたシステムになります。近年ますますニーズの高まっている企業の会議やプレゼン、さらには音楽ライブやイベントなどをライブビューイング向けにリアルタイムで配信することにも対応できるとアピールされています。
仕組としては、複数キャリアの回線を束ねて伝送するマルチリンク機能を用い、また独自のハードウェアコーデック方式によって転送データ量を抑制しながら、高精細映像を伝送することができるようになったとのこと。さらには独自の“RASCOWプロトコル”を活用することで、映像伝送の遅延」を極限まで抑制しており、5Gで使用すれば、さらなる遅延短縮が可能と訴求されています。
Zaoウェアラブル
Zaoウェアラブルはソリトンシステムズが手掛けている、SIM内蔵かつ防塵防水仕様のウェアラブルカメラになります。土木工事や建築の現場などでも、作業員の方のヘルメットやハーネス、ネックストラップなどに簡単に取り付けられるようになっており、作業の模様をリアルタイムで撮影して伝送するという使い方に適しています。
防塵防水仕様に関しては、IP66規格という台風などの激しい雨にも耐えうるレベルをクリア。SIM内蔵式なので、カメラと通信するためのデバイスをケーブルで繋ぐという必要がなく、カメラ単体で安定した映像伝送が行えるとアピールされています。さらには「ナイトモード」という機能も備えており、夜間や周囲に照明がないような場所でも鮮明な映像が配信できるのも大きなメリットと言えるでしょう。
Zao App
Zao Appはソリトンシステムズが提供している、手持ちのスマートフォンを利用して、より身近かつ安価に遠隔臨場システムを開始できるアプリケーションになります。iOSの場合はiPhone 8 以上/iOS 12.0 以上、AndroidであればAndroid OS 6.0 以上に対応しており、一般的なアプリストアを通じて簡単に入手することができます。
H.265の高品質でライブ中継された画像を、"Zao Cloud View"という専用のクラウドサービスを介することで、パソコン、タブレット端末、スマートフォンなどで閲覧することができ、さらには双方向の通話にも対応しています。加えて、スマートフォンのGPS測位情報と連動させることもできるので、位置情報の可視化も可能。遠隔臨場が急遽必要になったというような場合でも、現場でスマートフォンにZao Appをインストールすれば、直ちに利用できるというのが、大きな利点と言えるでしょう。
