遠隔臨場システムとは?
遠隔臨場を解説

遠隔臨場システムとはどういうものだ?導入することによってどんなメリット・デメリットがあるのかを教えてほしい。

まとめて解説しますので、遠隔臨場システムを導入するかどうかの参考にしてもらえればと思います。具体的な導入事例も紹介しますので、ぜひご覧ください。
遠隔臨場とは?

引用元:ソリトンシステムズ(https://www.soliton.co.jp/lp/enkaku/)
遠隔臨場とは建設現場などで行われる業務の一つであり、ウェアラブルカメラやネットワークカメラを活用することにより現場に行かずとも離れた場所から臨場を行うことをいいます。IT技術の発展やDXの推進、さらに感染症対策などの背景から注目が集まっている臨場手段であり、国土交通省の定義では「材料確認」「段階確認」「立会」について遠隔で行うこととされています。この遠隔臨場を適切に行うためには、各拠点と建設現場を繋ぐことができるシステムについて、双方向の音声会話が滞りなく行えること、高画質な映像が通信できることなどが求められます。
遠隔臨場システム導入のメリット
移動時間や待機時間の削減
工事など現場で作業などが進められる業種においては幅広く言えることですが、首都圏などの本社から各現場に移動するにあたってはそのための移動時間や待機時間などが業務を不効率にしてしまい、大きな負担となることも少なくありません。しかし遠隔臨場を行うことができればこれらの移動時間・待機時間を大幅に削減することができますので、一日に複数現場の臨場を行うことも可能になるというメリットがあります。
人手不足の解消
さまざまな業界では昨今人手不足が叫ばれており、新規採用を募っても集まらないこともあります。ただでさえそういった頭数が足りない事態が経常的に発生しているうえに「働き方改革」の影響で勤務時間や残業時間の削減・圧縮も求められることが増えています。そんな人手不足な状況で臨場を全て現場に行きながら対応していると人員が足りない、という状況に陥る事業者も多くいるでしょう。遠隔臨場はこういった問題も解決することができ、効率的な人員配置を実現することができます。
安全性の向上
遠隔臨場を導入すると先に説明したようなメリットが受けられることから、一日に複数現場の臨場に対応することが可能になります。短時間で多くの臨場に対応ができると、現場の異常やトラブルなどにいち早く気づけるという環境が構築できるでしょう。異常やトラブルが発生した場合には初期対応までのスピードで被害の大きさが相当変わってきますので、迅速な対応ができるからこそより安全に業務を行うことが可能になります。
コスト削減
遠隔臨場を導入することで人員効率がよくなるということは少ない人員でより効率的に動けるということですから、人員コストも大幅に削減することができるようになるでしょう。また、現場臨場が減るということは移動時間・待機時間がなくなるだけではなく、そこに付随する移動交通費などのコストも削減・圧縮することができるようになります。現場が遠方であればあるほど当然移動にかかるコストは膨らみますし、宿泊を伴う場合は宿泊費用や日当なども発生しますから、それらのコストが発生しなくなると金銭的負担は大きく減少するでしょう。
遠隔臨場システム導入のデメリット
機材の初期費用
メリット面ではランニングにかかるコストが削減できる点を解説しましたが、今まで遠隔臨場を行っていなかった事業者が取り組むにあたっては初期費用として設備投資を行う必要があります。各拠点と現場を繋ぐリモート設備が必要になりますので、ウェアラブルカメラやネットワークカメラなどを購入し、拠点のデバイスと接続できる環境を用意しなければいけません。業務が滞らないよう一定品質の設備である必要があるため、それなりの初期投資は必要になるでしょう。
IT機器への慣れが必要
IT機器の取り扱いに慣れているスタッフがいると困ることはないかもしれませんが、そういった経験に乏しい事業所であれば導入から運用までに機器操作に慣れる必要があります。拠点における設備はもちろんですが、各現場で接続するカメラの設定などもありますので、双方がある程度操作に慣れなければいけません。特に高齢のスタッフであれば抵抗を示す場合もありますので、そういった苦手意識を取り除くための対応も必要になります。
通信環境の整備
遠隔臨場はインターネットによる通信で映像や音声を通信するという前提になりますので、通信環境の整備が必要になります。最近ではさまざまな事業所でWi-Fi通信が可能な環境を整備していますが、中にはまだ対応しきれていない事業所もあるでしょう。そのように通信環境が整っていない事業所の場合は、まずそれらの通信環境整備から入らなくてはいけません。また、一定程度の映像・音声品質を維持するためには通信環境のスペックもそれなりのものを導入しなければいけない点にも注意が必要です。
プライバシーへの配慮
ウェアラブルカメラやネットワークカメラを使って映像を通信するのが遠隔臨場ですが、この映像や音声は記録用として保存することになります。基本的には現場の状況だけを撮影するという目的のものではありますが、人が映り込むこともあるでしょう。これらの保存された映像は社外の人間が目にする機会が出て来る可能性もゼロではありませんので、撮影目的や用途を明確に共有しておき、プライバシーの侵害やトラブルに発展しないような配慮をするようにしましょう。
遠隔臨場システムの導入事例
- 導入事例①

画像引用元:ソリトンシステムズ(https://www.soliton.co.jp/lp/enkaku/)
大手ゼネコンにおける遠隔臨場システムの導入事例では、杭打ちの進行状況について現場作業員から事務所に状況を伝送する対応を行っています。責任者が複数現場の杭や進行状況を確認することができるようになり、効率化を実現しています。また、これまでは作業員が計器の前でタブレット端末に数値入力を行っていましたが、杭打機の計測モニターを事務所に伝送できるようになったため事務所で数値入力ができるようになったことに加え、録画映像がエビデンスとなり見返しもできるようになりました。
- 導入事例②

画像引用元:ソリトンシステムズ(https://www.soliton.co.jp/lp/enkaku/)
ジビル調査設計における遠隔臨場システムの導入事例は、自社製のロボットと組み合わせた橋梁点検を社内会議室にライブで共有することを実現しています。さらに社外にいる関係者・担当者への共有も可能になるなど、よりスムーズな情報共有に寄与しています。専門の技術職が在宅勤務をしながら現場に指示を飛ばしたり、社外の担当者が別件対応などをしていて不在の状況であっても映像を蓄積して保存することにより事後的に共有することも可能となっています。
いけないものは?

遠隔臨場で準備すべきは撮影機器(カメラ等)、モニター、映像配信・記録・納品に必要な装置ということだな。ここはZOOMでも良いのだろうか。

ZOOMでもできますが、注意が必要です。国土交通省の30事例を紐解いてみたところ、実に61.1%が課題に感じていたのが、通信と画質です。手軽さや安さを重視すると、痛い目を見てしまいます。(令和4年3月の国土交通省の事例より)

通信と画質のどちらも優れた製品など、この業界にあるのか!?

調べたところ、1社ございます。高画質・短遅延を実現しているのが、ソリトンシステムズの製品です。
ソリトンシステムズの遠隔臨場システム「Zao Cloud View」
Zao-X
一定の画質・音質が求められる遠隔臨場について、高品質な環境を提供するのが「Zao-X」です。複数キャリアに対応するマルチリンク機能が備わっており、ソリトンシステムズの独自技術により高い解像度を遅延なく伝送することが可能です。キャリアの電波状況に左右されることなく安定した映像を伝送できるという強みを持っている製品であり、ドローンや360度カメラといった機器との接続・連携も可能な遠隔臨場システムです。
Zaoウェアラブル



ZaoウェアラブルはSIMが内蔵されているウェアラブルカメラであり、ハンズフリーでケーブルレスな映像配信を行うことが可能です。さらに映像の配信だけでなく双方向音声の通信もできるため、各拠点と現場で通話をすることもできます。電源オンからすぐに使用できる操作のスムーズさに加え、安定した映像伝送品質も誇る遠隔臨場システムです。ナイトモードや防塵・防水といったスペックと、ニーズに合わせてヘルメットやハーネスなどに取り付けることができる点も強みとなっています。
Zao App

引用元:フォーラムエイト(https://www.forum8.co.jp/topic/IT-terms123.htm)
Zao Appにおける最大の特徴は「高品質のライブ中継」です。映像・音声ともに双方向の通信が可能で、一般的なWebカメラよりも高い品質の映像通信を実現します。スマホ本体の画質が高解像度であればそのまま映像伝送も可能であり、クラウドサービスと組み合わせることで多拠点配信・通話を行える点も魅力的です。緊急で遠隔臨場が必要になった時にもスマホにアプリを入れるとすぐ対応できる手軽さや、手ぶれ補正機能のあるウェアラブルとの連携ができる点も遠隔臨場における強みとなるでしょう。
Zao Cloud Viewの開発経緯とは?
株式会社ソリトンシステムズ
引用元:ソリトンシステムズ(https://www.soliton.co.jp/lp/enkaku/)
複数拠点の映像共有ニーズに
応えたことが開発のきっかけ
Zao Cloud Viewは現場の映像を1拠点だけではなく、関連会社、関連部署、関連署所、別建屋、最近ではテレワーク対応として、複数拠点で映像を共有したいというニーズの高まりがあったことから開発しました。共有という観点で重要になる高画質、短遅延を追求し、提供をしております。
ソリトンシステムズとは
1979年設立時から通信ネットワーク機器やシステムを開発に取り組んできた会社です。
セキュリティ対策も含めたネットワークソリューションや半導体デバイスの開発も手掛けており、新しい技術にも積極的にチャレンジ。遠隔臨場サービスはそうした高度な技術に支えられ、現場の要望に応えるシステム仕様になっています。
