建設業のICT化
遠隔臨場を解説
建設業もいまICT化の大きな波がきているな。
国土交通省が推進するi-Constructionが背景にあります。建設現場の生産性向上を目的としている取り組みです。このページでは、ICT化へやるべきポイントをまとめました。
建設業の生産性向上は喫緊の課題。よろしく頼む。
建設業がICT化に進む背景
人手不足

建設業における大きな課題として、人手不足があります。建設業就業者数と建設技能者数は2001年から2020年まで減少傾向が継続しています。2012年頃から建設投資額が増えているのにも関わらず高齢化などで労働力確保が難しくなっているのです。
建設業のICT化を進めることは、こうした人手不足の解消につながります。施工に関する専門知識などを情報共有して属人化を防ぎ、ドローンなどを測量や施工に活用することで人員削減できるからです。
3K職場のイメージの払しょく
建設業の労働者不足の理由は社会全体の高齢化だけではありません。「きつい・汚い・危険」という3Kイメージが根強く、建設業界が若手人材から敬遠されていることも大きく影響しています。
建設業の労働環境は改善が進んでおり労働時間数もこの10年間減少傾向にありますが、他の業界と比較すると労働時間が長く、年間出勤日数も多くなっています。そのため国土交通省では建設業の新3K(給与・休暇・希望)実現への取組も開始しています。
参照元:【PDF】国土交通省「新3Kを実現するための直轄工事における取組」(https://www.mlit.go.jp/tec/content/001368311.pdf)
生産性が向上していない

建設HRがまとめた資料によると2019年の建設業の労働生産性は3008円。全産業平均の4799円や製造業の5703円よりも大きく下回ります。これは他の業界に比べて1人あたり年間労働時間が長いことが理由として考えられます。
また、下請け・孫請けなど建設業界特有の受注構造や中小企業の割合が多いことから生産性向上のため方策が他業界から遅れている面もあります。こうした課題を解決するために建設業のICT化は急務となっているのです。
※労働生産性=実質国内総生産額/(就業者数×1人当たり年間総労働時間)
参照元:【PDF】建設HR(https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/2109/03/news037_2.html)
建設業のICT化へ考えるべき3つのポイント
情報共有・管理
ネットワークやシステム化により社内で情報共有したり、共通データを管理することで業務効率化を推進するなど他の業界では当たり前のことを進めるのが建設業界のICT化へ第一歩です。業界に関わらずスマートフォンの普及率は高いため、クラウドサービスなどを利用すれば大規模システムを導入しなくてもICT化は可能です。
安全・健康管理
ICT化が直接的に現場の安全を確保するとは言い切れませんが、現場の状況をAIカメラで監視し異常を検知すると知らせるシステムなどを導入すれば事故防止につなげることができます。またICT化により生産効率が向上し、長時間労働がなくなれば従来よりも健康管理に気を配ることができ職場環境の改善にもつながります。
人の移動の管理
ICT化を進めることで無駄な人の移動をなくし業務効率化を実現することができます。建設業界では現場に出向かなければできないことが多いですが、会議などICT化すれば人が移動しなくても済むこともあります。それは交通費など経費削減になるだけでなく、空いた時間を他の業務に充てて生産性を上げることも可能です。
今すぐできることは?
建設業のICT化といってもいろいろな取り組みがある。どれから手をつければ良いか。
いま注目を集めているのが、2022年6月から義務化された遠隔臨場です。検査確認作業を遠隔で行い、時間の大幅な短縮、業務効率化が期待できます。
技術の習得や機器の準備が必要なのではないのか?
当然、機器は必要ですが、技術習得は必要はありません。遠隔臨場について詳しく解説していきます。
