遠隔臨場の事例から学ぶ
遠隔臨場を解説
国土交通省が遠隔臨場の事例をまとめているな。
ここではその遠隔臨場の事例から見えた共通課題を明らかにします。
導入した者の声から学ぶということか?
はい。その上で課題を解決する製品もご紹介しましょう。
国土交通省の遠隔臨場事例
中部地整 設楽ダム工事事務所
平成31年度設楽ダム廃棄岩骨材運搬路整備工事
試行工事概要
| 工期 | R 1.7.6~R 4. 3.25 |
|---|---|
| 試行期間 | R2. 11月~R4. 1月 |
| 工事内容 (主工種) |
掘削工 188,000㎥ 盛土工 185,000㎥ 舗装工 1式 仮橋・仮桟橋工 1式 |
| 事務所 | 設楽ダム工事事務所 |
| 受注者 | 五洋建設(株) |
試行内容
| 映像と音声の「記録」に使用した機器及び「配信」に用いたシステム | 遠隔臨場による確認項目 | 工夫した点 |
|---|---|---|
| 「記録」 ・ウェアラブルカメラ (タブレット 他) 「配信」 ・ASP (ASPer) ・Web会議システム (ASPerLive) |
・掘削工における岩質判定検査 ・舗装工下層路盤工におけるプル フローリング ・仮橋・仮桟橋工における鋼管杭 支持層及び偏心量確認 |
・遠隔臨場が現場立会や段階確認等の 監督行為の負担軽減 |
受注者の声
- 通信状態が悪いため、立会の一時中断が発生した。
- 通信状態が悪いことや、現場臨場では不要な説明に時間を要するため、現場臨場立会と比較し、時間が長くなった。
発注者の声
- プルフローリング等のたわみの確認では若干映像で確認しずらい部分があった。
- 電波状況により現地とつながらないときがある。
中国地整 島根県大田市
令和2年度国道9号大田地区舗装修繕第1工事
試行工事概要
| 工期 | R2.7.31~R3.3.31 |
|---|---|
| 試行期間 | R2.7.31~R3.3.31 |
| 工事内容 (主工種) |
舗装工 A=19,400㎡ 区画線工 1式 道路付属施設工 1式 仮設工 1式 |
| 事務所 | 松江国道事務所 |
| 受注者 | (株)ガイアート |
試行内容
| 映像と音声の「記録」に使用した機器及び「配信」に用いたシステム | 遠隔臨場による確認項目 | 工夫した点 |
|---|---|---|
| 「記録」 ・safiePocket2 「配信」 ・safiePocket2 |
・切削出来形確認 ・舗装工出来形 ・品質確認 ・使用材料試験練り確認 |
・デジタルレベルを活用し、 レベル計測値を目視にて 確認できるようにした。 |
受注者の声
- 夜間時は目視しずらく、照明等の工夫が必要です。
- 通信状態が悪い場所では、使用不可です。
発注者の声
- カメラとPC双方でモバイル通信環境が整っていなければ使用不可。状況によってタイムラグが生じることがあり、かみ合わない場合もある。
- 舗装のクラックは、カメラでは確認しづらい点もあった。特に、夜間立会は照明で反射するため、難しい。
四国地整 香川県三豊市 令和元-2年度
豊中観音寺拡幅上高野地区舗装工事
試行内容
| 工期 | R2.3.13~R3.3.26 |
|---|---|
| 試行期間 | R2.3.13~R3.3.26 |
| 工事内容 (主工種) |
工事延長 L=600m As舗装工 A=3,570㎡ 路床安定処理工 A=2,510㎡ カルバート工 L=20m 電線共同溝 L=458m |
| 事務所 | 香川河川国道事務所 |
| 受注者 | (株)ガイアート |
試行内容
| 映像と音声の「記録」に使用した機器及び「配信」に用いたシステム | 遠隔臨場による確認項目 | 工夫した点 |
|---|---|---|
| 「記録」 ・スマートフォン ・ウェアラブルカメラ 「配信」 ・MET-EYE(メットア イ) |
・As舗装工 ・プレキャストカルバート工 (プレキャスト製品寸法) |
・スマートフォンを活用することで、 外出先や移動中でも手軽に遠隔臨場出 来るようにした。 ・タブレットを併用することで通信相 手が見えている画像を確認しながら撮 影した。 |
受注者の声
- 通信環境が4Gの通常回線しか無かったため、画像の乱れや遅れ、音声の聞き取りづらさが顕著だった。
- 5G通常回線になると、現行の臨場システムが不要となる事も考えられるが、公務PCや携帯の機能強化が追い付かない事が課題となりそう。
発注者の声
- カメラとPC双方でモバイル通信環境が整っていなければ使用不可。
- 映像が飛んだり、タイムラグが大きいことがあった。
- 全体的に解像度が良く、十分活用できる精度であったが、部材の細かな寸法については、解像度が悪く確認できない場合もあった。
九州地整 宮崎県東諸県綾町
本庄川崎ノ田地区堤防浸透対策(その1)工事
試行工事概要
| 工期 | R2.8.20~R3.3.31 |
|---|---|
| 試行期間 | R2.8.20~R3.3.31 |
| 工事内容 (主工種) |
工事延長 L=220m 矢板工 N=364枚 ブロックマット A=1,419㎡ 張芝 A=1730㎡ |
| 事務所 | 宮崎河川国道事務所 |
| 受注者 | 龍南建設(株) |
試行内容
| 映像と音声の「記録」に使用した機器及び「配信」に用いたシステム | 遠隔臨場による確認項目 | 工夫した点 |
|---|---|---|
| 「記録」 ・ウェアラブルカメラ 「配信」 ・ASP(サイボーズ) ・専用システム (Android6.0.1(AOSP)) |
・鋼矢板の材料確認 ・笠コンクリートの出来形確認 ・ブロックマットの出来形確認 |
・出来形確認において、レベル計測値 が表示でき、目視にてその数値が確認できるデジタルレベルを使用した。 |
受注者の声
- 現場とPC側にカメラ画像の遅れがあり、そのぶん時間ロスした。
- 画像拡大時に、ウェアラブルカメラで拡大箇所を探すのに時間がかかり、映像送信までに時間を要する時があった。
発注者の声
- 受信側PCにおいて、画像データと音声データのタイムラグが大きかったため、通常の現地立会より時間を要することがあった。
- タイムラグのある画像のため、後日の画像確認時に手間を要した。
参照元:【PDF】国土交通省「建設現場における遠隔臨場 事例集(令和4年3月)」(https://www.mlit.go.jp/tec/content/001473626.pdf)
遠隔臨場で多く浮かび上がった共通課題とは
通信が途切れて作業に支障が出る
遠隔臨場の作業効率は通信環境によって大きく変わります。通信が不安定で確認中に途切れてしまったり、つながってはいてもタイムラグが生じたり映像が飛んでしまう、音声が聞き取りにくければ作業が中断してしまいます。遠隔臨場の事例における受注者・発注者の声でも安定しない通信状況を課題と考えていることがわかります。
画質が悪くて検証できない
画質の良し悪しも通信状況の影響が大きいですが、それ以外に現場環境により映像が確認しにくいという声もあります。特に夜間での作業では暗くて画質が悪くなったり、照明が反射して見にくいといったことが課題となっています。雨天時や暗闇で作業しなければならない現場での遠隔臨場はどこまで画質維持できるかがポイントです。
起こる問題とは?
遠隔臨場の課題は、大きく通信と画質の2つに集約されると言って良いでしょう。
通信や画質が悪くても、多少なら大きな問題はないのではないのか?
遠隔臨場では数値の検査や型番の確認があります。画質が悪いと遠隔臨場では対応できません。工事書類は図面や写真などを含むことから基本的に大容量のため、通信性が悪いとなかなか送れないこともあります。通信や画質が悪いと、かなりのストレスになってしまいますよ。
それは絶対に避けたい。生産性が落ちるのは本末転倒だ。
必要なのは高画質・短遅延を実現する製品です。実は業界でその2つが伴っている製品があります。ソリトンシステムズ社の製品です。
通信・画質に優れたソリトンシステムズの製品は
3種類から選べる
Zao-X

H.265コーデックと独自の映像伝送プロトコルで高品質の映像配信が可能。不安定なモバイル回線に最適化されたRASCOWテクノロジーにより高速化・安定化を実現します。映像伝送の課題となっている「遅延」を抑制し、4K映像の伝送でも遅延短縮が可能となっています。
ドローンや360°カメラとの接続が可能なため、そうした活用も検討している方はぜひチェックしてみてください。
Zaoウェアラブル


「動く現場」をターゲットに開発されたウェアラブルカメラです。クラウドサーバーを介してリアルタイム映像・音声・位置情報の共有が可能。
Smart-telecasterシリーズの高い映像品質を受け継ぎながら、防塵防水ではIP66規格に対応したり暗所に強いナイトモード搭載で現場環境による画質低下を抑制します。
SIM内蔵のためケーブルレスで作業ができるほか、状況に合わせて治具の変更ができさまざまな場所に身に着けられる(写真)ので、使い勝手も魅力です。
Zao App

引用元:フォーラムエイト(https://www.forum8.co.jp/topic/IT-terms123.htm)
モバイル環境でも高品質なライブ中継を可能にするスマホアプリです。専用カメラや大規模な機材がなくてもスマートフォンのみでH.265による高画質中継が実現します。
iOSとAndroidのどちらの動作環境にも対応しており、予算が少なく遠隔臨場の導入が進まないというケースでも低コストで始めることができます。
スマホの機種の性能を活かせるのも魅力。たとえば手ぶれ補正がついていたり、解像度の高いスマホであれば、その機能を活かして映像を伝送することができるのも見逃せません。
ソリトンシステムズの製品の強みを解説
株式会社ソリトンシステムズ
引用元:ソリトンシステムズ(https://www.soliton.co.jp/lp/enkaku/)
電波環境が低下する環境下でも、
高精細で安定した映像伝送が可能
弊社の製品の最大の強みは最大6回線のマルチリンクにより、高精細な映像(4K等)を超短遅延(最短で0.05秒)で伝送できること。山間部、湾岸エリア、人が密集するエリア等、電波環境が著しく低下する環境下でも安定的に映像を伝送し続けることが可能です。
そのため、ドローンを活用するような場所でも、高精細の映像を送ることが可能です。
引用元:ソリトンシステムズ公式HP(https://www.soliton.co.jp/lp/enkaku/)
Zao Cloud Viewの画質の良さを比較
ソリトンシステムズとは
ITセキュリティ製品の開発・販売を行う1979年設立の会社です。情報化する社会に向けて早期から大規模ネットワークの設計・構築を手がけ、半導体LSI設計やソフト開発まで幅広く対応。
「独創性」と「感動」にこだわり、遠隔臨場関連の製品でも独自テクノロジーにより通信の安定化により高品質な映像配信を実現しています。
