製造業のICT化
遠隔臨場を解説
モノづくり産業は生産性向上を求められており、ICT化に取り組む企業が増えているな。
人件費が安く、ローコストで製造できる新興国の台頭が影響しています。国内でコストを抑えて製造・生産をするためには、デジタルを取り入れた効率化が不可欠ですので、ここで紹介します。
日本の明るい未来のために、宜しく頼む。
製造業がICT化に進む背景
人材不足
日本の大きな課題に少子高齢化があり、出生数の低下などにより労働人口は減少の一途を辿っています。この問題は製造業にとっても大きな課題となっており、技術者の高齢化による技術承継も課題として挙げられます。さらに技術承継については受け手である働き手も少子化の影響により不足しており、今後もどんどん減っていくものと考えられます。経済産業省の調査によると、ほとんどの企業は「人手が足りていない」と感じており、おおよそ3割の企業は「ビジネスにも影響が出ている」と答えており、少子高齢化は深刻な問題になっています。
生産性向上
多くの企業ではより利益を獲得するために、コスト削減に尽力しています。そして家計も同様で、不景気が進むにつれより安い製品を求めるようになっており、より効率的な生産活動を求められている現状があります。さらに働き方改革などの影響によりプライベートの時間確保を求める労働者も増えており、短い時間で効率のよい生産活動を求めざるを得ない状況にもなりつつあるのが日本の現状です。そんな状況もあり、より安い価格で仕入れることができる海外輸入などを利用する企業も増えており、日本の国際競争力の低下が懸念されています。
開発・製造に必要な時間・コストの削減
製造業にデジタル技術を取り入れると、生産活動を効率化するだけでなく商品開発にかかる時間や製品化までに必要な時間を短縮させることが可能になります。AIによってデータ分析などを行うことにより、商品開発にかかる時間を大幅に圧縮することが期待されるため、開発に着手してから製品化し実際に販売を開始するまでのコストも抑えることができるようになります。顧客ニーズに対して迅速な対応が可能になる点も非常に大きく、他にもデータ分析・活用によるトラブル回避や生産ロスの抑制などといったメリットも期待することができます。
製造業のICT化へ考えるべきポイント
技術共有・継承
アナログ技術による製造・生産はいわゆる職人の技術が必要であり、非常に属人性が高いものとなっています。その大きな課題としては技術承継があり、ベテラン職人の技術を次の世代に承継していかなければモノづくり環境が再現できない、という懸念も生じてしまします。デジタル技術を取り入れることにより、AIに技術を学習・承継させることで、高い再現性を得ることができる可能性があります。さらにこれを多言語化することにより、国内だけでなく海外での生産活動にも応用できるという効果も期待され、スムーズに人材育成を行うことが可能になります。
セキュリティへの配慮
モノづくりにデジタル技術を取り入れるためには、セキュリティという課題に対する配慮も欠かすことはできません。情報社会と呼ばれる昨今において情報は非常に貴重な経営資源であり、その管理に対しては細心の注意が必要です。これまではその人がいなければ得られなかった技術やノウハウをデータ化するということは、流出リスクが大きくなってしまうためです。この情報が流出してしまうと自社の製品などを容易に模倣されてしまう可能性が高いため、企業全体においてセキュリティレベルを高めるなどのしっかりとした対策が必要になります。
デジタル化、導入コストの把握
製造業にデジタル技術を導入するためには、一定のコストが必要になるという点も押さえておかなければいけません。デジタル化も設備投資ですから、他と同様に採算性や回収期間の検討などが必要であり、まずは中長期的な目線でどのようなメリットが得られるのかを考える必要があります。しかしながら導入当初には一時的な投資支出によりキャッシュフローが厳しくなってしまう可能性もあるため、スモールスタートの手段も検討する必要があるでしょう。いずれにしても投資に関する支出については、運用場面における収支計画も踏まえて検討する必要があります。
デジタル人材の確保
たとえばベテラン職人だけで構成されている製造業を営む企業に対して最先端のデジタル技術やシステムを導入・投入したとして、果たして使いこなすことができるでしょうか。システムは導入することはあくまでも目的ではなく、悩みやニーズを解消するという結果に繋がることを目的としたプロセスの一つです。その結果実現に向けて取り組むためには、デジタル技術を活用するための人材が必要になりますが、優秀な人材は他の企業からの需要も高くなってしまうため、雇用が難しい可能性があります。そのためITコンサルの導入なども含めた広い視野での検討が必要になるでしょう。
今すぐできることは?
製造業のICT化を進めるといっても、忙しくてなかなか手が回らないというのが現場の声ではないだろうか。具体的に何をどうすればいいかも全く分からないぞ。
最近ではさまざまな技術が開発されており、どのような悩みに対してもソリューションが提供されています。まずは自社のニーズを整理したうえで、適切なICT導入を検討しましょう。
そうは言ってもITに強いデジタル人材がいない企業はどうすればいいのか?
ICT化については専門家に相談することもできますし、最近では遠隔支援・遠隔臨場という方法もあります。詳しく解説します。
